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2026. 09. 04

夜の成田空港。最終便が飛び立った後も、滑走路の明かりが消えることはありません。
飛行機が一機もいなくなる深夜からは、滑走路の「あかり」を守る人たちの仕事が始まります。
滑走路や誘導路に並ぶ無数の照明は、パイロットが安全に離着陸するための、いわば命綱。
この灯りを24時間365日守り続けているのが、白岩工業の成田事業所です。
土木の施工管理会社というイメージの強い当社ですが、成田空港ではもう一つの顔、空港の電気設備を支える仕事があります。
今回は、あまり知られていない「成田空港の施設保守管理」の世界をご紹介します。
成田事業所でこの仕事に長年携わる永田所長と酒井副所長にもお話をうかがい、現場のリアルな声をお届けします。
消していた明かりが、灯器の交換を終えて一斉に点灯した瞬間や、朝方に一番機が飛び立つ瞬間は、この仕事をやってよかったと感じますね。」

白岩工業は、鉄道や道路といった大型インフラの土木施工管理を主力とする会社です(サブコン=ゼネコンの施工パートナー)。
その一方で、成田空港では「空港保守管理事業」として、電気・機械・設備の維持管理を担っています。
中心となるのが、滑走路の航空照明のメンテナンス。
ほかにも消防設備や通信設備の点検、駐車場などの機械設備の保守まで、空港が安全に動き続けるための裏方を引き受けています。
なかでも航空照明は、高度な電気設備の知識と技術が求められる、専門性の高い仕事です。
そもそも「空港保守」とは、滑走路や航空照明、電源設備、通信・消防設備といった、空港を動かすための膨大なインフラを、安全に使い続けられる状態に保つ仕事の総称です。
飛行機の運航は、これらの設備が一つでも不調をきたせば止まってしまいます。
白岩工業は、そのなかでも滑走路の航空照明を中心に、電気・機械・設備の維持管理を一手に引き受けています。
飛行機は、なぜ夜でも霧の日でも安全に着陸できるのか。その答えのひとつが、滑走路に整然と並ぶ航空照明です。
成田空港の滑走路および誘導路には、およそ30種類・合わせて約16,000個もの照明が設置されています。これらは国土交通省の管理のもと、設置場所はもちろん、明るさや照らす角度まで細かく定められています。
夜間や視界の悪いとき、パイロットはこの灯りを頼りに、着陸する位置や進入する角度を確認します。つまり照明が適切に灯っていなければ、飛行機は離着陸できないのです。
この一つひとつの灯りを万全の状態に保つことが、白岩工業の役目です。
ほかにも、エプロン照明灯の点検や、航空機を誘導する矢印サインの点検、変電所の巡回点検など、実はいろいろな仕事をしています。」
ひとくちに航空照明といっても、その種類はさまざまです。
役割ごとに細かく分かれており、パイロットは複数の灯りを組み合わせて、滑走路の位置や進入の角度を読み取っています。
たとえば滑走路のまわりには、両側を縁取る「滑走路灯」、中心線を示す「滑走路中心線灯」、末端の位置を知らせる「滑走路末端灯」、接地帯(着陸機が接地するあたり)を示す「接地帯灯」などがあります。
滑走路と駐機場を結ぶ誘導路には、青色の「誘導路灯」と緑色の「誘導路中心線灯」が並び、進むべき道を示します。
着陸のときに頼りになるのが、滑走路の手前へ延びる「進入灯」と、進入角度の良し悪しを色で教える「進入角指示灯(PAPI)」です。
PAPIは、およそ3度とされる適正な進入角度を、灯りの見え方の違いによってパイロットへ伝えます。
さらに、滑走路の路面に埋め込まれる灯火は、航空機のタイヤが乗っても壊れない強度を持ち、逆に地面から突き出す灯火は、万一ぶつかっても機体を傷つけないよう、根元がわざと壊れやすい構造になっています。
こうした一つひとつに込められた工夫を、万全の状態に保つのが白岩工業の仕事です。

成田空港が開港したのは1978年。白岩工業は、その開港のときから今日まで、滑走路内の航空照明の保守管理を一手に担ってきました。
これは全国的にも珍しい、開港以来ずっと同じ企業が担い続けているケースです。
約50年、24時間365日にわたって空港のあかりを守り続けてきた実績が、そのまま当社の強みになっています。
電気設備の維持管理に特化した技術と専門性は、「白岩工業でなければできない」といえるレベルに達しているという自負があります。誇りを胸に、今も技術を磨き続けています。
元請さんも保安対応はしますが、いちばん詳しいのは当社。だから、何かあるとまず当社に相談が入って、意見を求められることも多いですね。」
永田 所長
「航空照明の専門部隊が整備まで担う空港は、日本国内はもちろん、世界的にも他にないと聞いています。
昨年、初めて航空会社のパイロットと合同ミーティングを行いました。パイロットは上空から照明を見下ろすだけで現物を見たことがなく、私たちは逆に、どう見えているのかを知らなかった。
お互いの視点を共有することで、自分たちの仕事が重宝されているのだと実感でき、やりがいにつながりました。」
航空照明のメンテナンスは、飛行機が飛んでいない時間にしか行えません。滑走路が閉鎖される深夜24時30分から、早朝5時までの、わずか4時間半あまり。
この限られた時間のなかで精密点検や定期点検を行い、1日におよそ100灯もの標識灯を交換していきます。しかも、朝6時の初便の運航に、絶対に支障を出すわけにはいきません。まさに時間との戦いです。
交換した標識灯は、明るさ・角度・色まで細かくチェックされます。部品の消耗が見つかれば交換し、場合によっては照明そのものが役目を終えることもあります。
その一つひとつが、専門的な判断を求められる作業です。
事務所に戻ってからは点検表や障害報告書の作成があり、終わるのは朝6時から7時ごろ。日勤・夜勤のシフト制で、365日、空港を動かし続けています。」
この仕事の厳しさを象徴するのが、安全管理の徹底ぶりです。もし滑走路にネジ1本でも落とし、それが飛行機のエンジンに吸い込まれれば、大事故につながりかねません。
そのため、滑走路に持ち込む工具箱ひとつをとっても、どこに何を置くかが細かく決められています。
「ネジ1本の紛失も許されない」。言葉通りの緊張感のなかで、日々の仕事は進みます。
また、万が一、飛行機のトラブルなどで滑走路が使えなくなったときには、いち早く照明を復旧させ、運航の再開を支えるのも当社の重要な役割です。
このような緊急時にも、迅速に動けるだけの技術と体制を、常に整えています。
だからこそ、ダブルチェックやペアでの確認を徹底して、落とし物・忘れ物が絶対にないかを、慎重に確認してから現場を上がるようにしています。
入社したばかりで、まだシフト勤務にも入っていないころ、灯器が20〜30灯も壊れる事故がありました。
人手が足りず、新人の私も現場に出て、元請さんから「数時間以内に復旧を」と。当社と元請さんの合同で、なんとか時間内に滑走路を復旧できたんです。
大変でしたが、すごい仕事に携わっているんだなと実感した経験でした。」

成田空港は、開港当時こそ利用者700万人・滑走路1本の空港でした。
それがいまや、年間4,000万人が利用し、滑走路2本・年間離着陸数24万回を数える、世界有数の国際空港へと成長しています。そして、その歩みはこれからも止まりません。
新たに整備されるC滑走路の照明も、白岩工業が管理を担っていく予定です。成田空港の成長とともに、当社の仕事もこれから一層広がっていきます。
成田空港の航空照明という仕事からは、ほかでは身につけられないものが得られます。
たとえば、高度な航空照明の技術、そして安全管理や緊急時の対応力。いずれも、安全と品質に極めて厳しい成田空港だからこそ求められる、実務経験からしか得られないスキルです。
さらに、決められた時間内に確実に作業を終えるためには、若手もベテランも一体となった密なコミュニケーションが欠かせません。
専門的なスキルと同時に、周囲から頼りにされる人間性も磨かれていきます。白岩工業では、こうした仕事に20代のうちから携わることができます。
「スキル」×「人間性」×「責任感」。これら3つを兼ね備えた人へと成長できる環境が、成田空港をはじめとした、白岩工業が携わる現場にはあります。
いま第一線で活躍している社員も、入社後は必要な知識や資格の取得をサポートし、現場での経験を積み重ねてきたことで、白岩工業の一員として誇れる技術や考え方を身につけました。
深夜の滑走路で、たった4時間半のうちに空港の「あかり」を守り抜く。それは、飛行機を飛ばし、多くの人の「空の旅」を足元から支える仕事です。
目に見えて派手な仕事ではないかもしれません。けれど、成田空港という日本の玄関口を、開港以来ずっと支えてきたという誇りが、私たちにはあります。
飛行機を安全に飛ばすあかりを、次の50年も守り続けるために。この仕事に興味を持たれた方は、ぜひ一度、私たちの現場をのぞいてみてください。
責任感がとても大きく、その分やりがいのある仕事です。ぜひ一度、興味を持ってもらえたら嬉しいです。」
永田 所長
「唯一無二の職業であり、空港のため、飛行機のため、そして国のために働いているという誇りを持っています。
航空照明を筆頭に、電気通信や機械のメンテナンスも含めて、縁の下の力持ちとして空港を支えている。誇りに思ってやっています。」
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