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鉄道の躯体工事とは?駅や線路を支える施工管理の仕事を紹介

鉄道の躯体工事とは?駅や線路を支える施工管理の仕事を紹介

みなさんが毎日利用している駅や線路。その足元には、想像をはるかに超える巨大なコンクリート構造物が広がっていることをご存じでしょうか。
ホーム、地下通路、高架橋、そして電車が走るトンネル。こうした「鉄道の骨格」を支えているのが、躯体(くたい)工事という仕事です。
今回は、数ある工事のなかでも特に難易度が高いといわれる鉄道の躯体工事について、そもそも躯体工事とは何か、鉄道の躯体にはどのような構造物があるのか、そして現場ならではの難しさまでを、白岩工業が実際に手がけるJR渋谷駅の事例とともに基礎から紹介していきます。

そもそも「躯体工事」とは?

躯体とは、建物や構造物の「骨組み」となる部分のことです。基礎・柱・梁・床・壁など、その構造物を支える中心的な要素を指し、人の体でいえば「骨格」にあたります。
この骨格をつくり上げる工事が躯体工事であり、鉄筋コンクリート造(RC造)を中心に進められます。

躯体工事の基本的な流れ

躯体工事は、大きく型枠・配筋・打設・養生・脱型という流れで進みます。まずコンクリートを流し込むための「型」となる型枠を組み、その内部に鉄筋を精密に組み上げていきます。
コンクリートは押される力(圧縮)には強い一方で、引っ張られる力(引張)に弱いため、鉄筋を組み合わせることではじめて構造物として必要な強度が生まれます。

続いて生コンクリートを型枠に流し込んで締め固め、規定の強度が出るまで温度や湿度を管理しながら養生し、最後に型枠を外して仕上げていきます。
一見すると単純な繰り返しに見えるかもしれませんが、躯体は構造物の強度そのものを左右する、最も重要な部分です。
ここに少しでも不備があれば、劣化や強度不足を招き、大きな事故につながりかねません。

だからこそ躯体工事は、10年後、20年後、その先の100年後まで安全に使い続けられることを見据えた「ものづくり」でなければならないのです。

品質の山場「コンクリート打設」

躯体工事のなかでも、とりわけ品質を左右する山場となるのがコンクリート打設です。打設とは、ミキサー車で運ばれてきた生コンクリートを型枠のなかへ流し込み、すみずみまで充填させていく作業のこと。

生コンは時間の経過とともに硬化していくため、やり直しがきかず、事前の計画づくりから受入検査、締固め、時間管理まで、一つひとつの判断が品質に直結します。

打設の手順や工法、注意点については、詳しく解説した別記事もあわせてご覧ください。

コンクリート打設とは?

鉄道の「躯体」は、種類も規模もさまざま


ひとくちに鉄道の躯体工事といっても、その対象となる構造物は実に幅広く存在します。ここでは代表的な構造物を取り上げ、それぞれの役割と、つくるうえでの特徴を見ていきましょう。

高架橋

線路を地上より高い位置に通すための構造物が高架橋です。代表的なのは、柱・梁・床(スラブ)が一体となったRCラーメン高架橋で、地震の揺れに強い構造として広く採用されています。
これらを支えるのが、地中に打ち込まれた杭基礎フーチング(基礎)です。
高架橋は、電車そのものの重量に加え、日々繰り返される走行の振動、そして地震の力に、何十年にもわたって耐え続けなければなりません。
踏切をなくして渋滞や事故を防ぎ、線路で分断されていたまちをつなぐ「連続立体交差事業」など、都市の安全と利便性を高めるうえでも欠かせない構造物です。

地下駅・地下通路

都市部の鉄道では、地下に駅や通路をつくることも少なくありません。地中に箱型の空間を築くこれらの構造物は、周囲の土や地下水の圧力に耐える頑丈なRC構造でつくられます。
用地が限られる都市部では、工法の選択が重要になります。地上から掘り下げて構造物をつくり、埋め戻す「開削(オープンカット)工法」のほか、先に地表部や上部の床をつくってから下方へ掘り進む「逆打ち(さかうち)工法」もよく用いられます。

逆打ち工法は、地上を早い段階で復旧できるため、交通量の多い都市部で特に有効です。
いずれの場合も、掘削中に周囲の地盤や近接する建物を沈下させないよう、土留め(山留め)で周囲を支え、変位を常に監視しながら慎重に工事を進めていきます。

白岩工業も、こうした地下化の工事を実際に手がけてきました。
たとえば京浜急行電鉄・京急大師線の大師橋駅(旧・産業道路駅)では、交通量の多い産業道路をまたぐ「開かずの踏切」が長年の課題となっていました。

線路を地下に移して踏切そのものをなくし、道路の流れと地域の安全を取り戻す。連続立体交差事業の現場を、白岩工業の施工管理が支えてきました。
地下に駅という空間を築く仕事は、構造物をつくるだけでなく、まちのかたちそのものを変えていく仕事でもあるのです。

鉄道の地下化工事はどのような作業をするの?現場の社員にインタビュー

プラットホーム

私たちが電車を待つプラットホームも、躯体工事によって築かれる構造物です。
線路の両側にホームがある「相対式」、線路に挟まれて中央にホームがある「島式」など形式はさまざまですが、いずれも日々おびただしい数の乗客の荷重を受け止め、安全に人を支え続ける必要があります。

近年では、ホームドアの設置に合わせた補強や、ホームの拡幅・延伸といった改良工事も各地で進められています。

擁壁・函渠

目立ちにくいものの、鉄道を成り立たせるうえで欠かせないのが、擁壁(ようへき)や函渠(かんきょ)といった構造物です。
擁壁は、盛土や切土の斜面が崩れないよう土圧に抵抗して支える壁状の構造物。函渠は、線路の下を道路や水路が横断するアンダーパスなどに用いられる箱型の構造物です。

こうした構造物は、路線の安全と、鉄道と地域の交通を両立させる縁の下の力持ちといえます。
このように、鉄道の躯体工事は構造物ごとに求められる形も工法も異なり、さらに現場の地盤や周辺環境によって最適な進め方が変わります。
だからこそ、一つひとつの現場に応じた高度な技術と判断が求められるのです。

鉄道の躯体工事が「特に難しい」といわれる理由


構造物の多様さに加えて、鉄道の現場には独特の難しさがあります。ビルの建設現場とは、そもそも前提条件が大きく異なるのです。

電車を止められない

最大の違いは、電車を止められないという点にあります。鉄道は毎日何万人もの人が利用する社会インフラであり、工事のために路線を長期間止めるわけにはいきません。
そのため多くの作業は、電車が走っている「営業線」のすぐそばで進められます。

線路や架線の近くで作業を行う際には、列車の接近を知らせる見張員の配置や、作業範囲の厳格な取り決めなど、幾重もの安全ルールが課せられます。

線路に関わる作業は「時間との勝負」

躯体工事そのものは、営業線のすぐそばで日中に進められることも多くあります。ただし、線路に直接関わる作業となると事情が変わる場合もあります。

線路そのものに関わる作業ができるのは、電車が動いていない夜間、終電後から始発前までのわずかな時間に限られます。

線路上での作業には「線路閉鎖」、架線に近い作業には電気を止める「き電停止」といった手続きが必要で、実際に手を動かせるのはほんの数時間ということも珍しくありません。

「切替工事」という最難関

なかでも最難関とされるのが、既存の線路や設備を新しくつくった構造物へと一気に移し替える「切替工事」です。
多くの場合、一夜のうちに完了させなければならず、失敗は許されません。分刻みのスケジュールと大人数の連携を、綿密な計画によって成立させる必要があります。

地下・近接という制約

地下や、営業線の直下・真横で行う近接施工では、構造物や軌道のわずかな変位も見逃せず、ミリ単位の精度が求められます。
狭く光の届かない空間で、周囲の建物や地盤に影響を与えないよう慎重に工事を進めなければなりません。

数多くの関係者との調整

鉄道の工事は、鉄道事業者・行政・近隣住民といった数多くの関係者との協議のうえで成り立ちます。
安全協議や作業申請、近隣への説明など、現場を動かす前段階から膨大な調整が積み重ねられているのも、鉄道ならではの特徴です。

【事例】JR渋谷駅改良工事に見る、鉄道躯体工事のリアル

ここまで見てきた構造物の種類と、鉄道ならではの制約。その両方が凝縮された現場が、白岩工業の携わるJR渋谷駅改良工事(北工区)です。
この工事で白岩工業が担ってきたのは、高架橋のRC躯体構築と、埼京線・山手線のホーム構築。
前の章で紹介した「高架橋」と「プラットホーム」の躯体工事が、まさに実際の現場で進められているわけです。

次に、鉄道ならではの制約がどう現れるか。この工事の中核となるのは、ホーム構築にともなう線路の切換にあります。
線路切換は2018年から順次進められ、これまでに計5回を実施。とりわけ2023年1月には、山手線の外回りと内回りに分かれていた相対式ホームを、一つの島式ホームへと一体化させる大規模な切換が行われました。

こうした作業は、終電後から始発前までの限られた時間に集中して進められます。
駅を使う人にとっては「いつの間にかホームが新しくなっていた」という感覚かもしれませんが、その裏側では、多くの技術者と職人が緊張感のなかで作業を積み重ねているのです。
そして2023年11月、全5回の線路切換は無事故で完了しました。
渋谷では「100年に1度」と言われる大規模な再開発が進み、白岩工業は銀座線渋谷駅リニューアル工事などを含め、これまで10年以上・約20の現場に携わってきました。
JR渋谷駅の改良工事も2034年度の全体完成に向けてなお進行中で、今後もホームの階段構築や各コンコースの切換、銀座線のトラス桁架設、低層棟ビル部の躯体構築などが続いていきます。

一つの駅が生まれ変わるまでに、これほど長い年月と膨大な工程が積み重ねられていることが伝わりましたでしょうか。
JR渋谷駅の事例は、鉄道躯体工事のスケールとリアルを私たちに教えてくれます。

JR渋谷駅改良工事(北工区)

現場を動かす施工管理の存在

これほど多様で難易度の高い工事をとりまとめ、中心的な役割を担うのが施工管理です。

白岩工業は、大手ゼネコンから工事を請け負うサブコン、すなわちゼネコンの施工パートナーとして、現場の「ヒト・モノ・カネ」を管理する施工管理を専門としています。
その仕事は、品質・原価・工程・安全・環境という5つの観点(QCDSE)にもとづいて現場を管理することが基本になります。
設計図どおりの品質が確保されているかを確認し、資材や人員を適切に手配して予算のなかに収め、限られた工事間合いから逆算して工程を組み立て、騒音や振動など周辺環境への配慮を徹底する。
そして何より、現場で働く全員が安全に作業できる状態を守り抜くことが求められます。

とりわけ安全は、鉄道のように「止められない・やり直せない」現場においては、すべての仕事の土台となる最優先事項です。

白岩工業が手がけてきた、鉄道の現場


白岩工業の施工管理の最大の特徴は、工事規模が圧倒的に大きいこと。創業から70年以上にわたり、鹿島建設をはじめとするスーパーゼネコンの施工パートナーとして、日本を代表する数々の鉄道プロジェクトに携わってきました。
これまで手がけてきた鉄道関連の現場には、次のようなものがあります。

駅・再開発

  • JR渋谷駅改良工事(北工区)
  • 東京メトロ銀座線 渋谷駅リニューアル工事
  • その他渋谷再開発関連
  • 上野駅

地下化・連続立体交差

  • 京浜急行電鉄 京急大師線 大師橋駅の地下化工事
  • 京急大師線の連続立体交差工事

「100年に一度」と言われる渋谷駅の再開発をはじめ、ニュースやメディアで目にするような国家的プロジェクトの中枢を、白岩工業の施工管理が支えています。こうした大型現場を数多く手がけられる背景には、白岩工業の動員力があります。

当社全体で常時稼働している職人さんは1日あたり700〜800名、最大では1,200名規模の動員が可能で、これだけの体制を持つ会社は全国でも数少ないのが実情です。あなたが毎日使っているあの駅にも、白岩工業の仕事が息づいているかもしれません。

    これからも、六本木・新宿・品川といった大都市の主要駅では、再開発が続々と計画されています。街が新しく生まれ変わり続ける限り、鉄道の躯体工事と、それを支える施工管理の需要は、ますます高まっていくでしょう。

まとめ

今回は、鉄道の躯体工事とは何かを、構造物の種類と現場ならではの難しさを中心に、基礎から紹介してきました。

躯体工事とは構造物の骨格をつくり、安全性の根幹を担う仕事であり、鉄道の躯体には高架橋・地下駅・プラットホーム・擁壁や函渠など、役割も工法も異なるさまざまな構造物があります。
そして鉄道の現場では、電車を止められないなかで作業を進める必要があり、とりわけ線路に関わる作業は終電後の限られた時間に行うなど、高い精度と安全性が求められます。
白岩工業は、JR渋谷駅改良工事をはじめとする数々の鉄道プロジェクトで、こうした難しい躯体工事を支えてきました。

鉄道の躯体工事は、決して楽な仕事ではありません。時間との勝負となる緊張感、ミリ単位の精度、絶対に事故を起こせないという責任がともないます。
しかし工事が完成したとき、そこには何十年、時には100年先まで人々の暮らしを支え続ける構造物が残ります。
自分が携わった駅や路線を、毎日多くの人が当たり前のように利用していく。地図に自分の仕事の証を刻み、社会の記憶に残るものづくりに関われることは、この仕事ならではの大きな意義といえるでしょう。

何を誇れる人生にしたいか、
一緒に考えませんか?

将来のこと、仕事のこと、人生のこと。不安や期待も含めて、一緒に考え、設計してみませんか?あなたの想いを受けとめたうえで、後悔のない選択となるよう約束し、真剣に向き合います。